3月5日(土)すてっぷフェスタ記念講演では、内閣府男女共同参画会議議員で国の「第4次男女共同参画基本計画」の策定に会長として携わった鹿嶋敬さんを講師に迎え、76人の皆さんにご参加
いただきました。
2015年8月に「女性活躍推進法」が制定され、12月に「第4次男女共同参画基本計画」が策定されました。「女性の活躍」という言葉が注目されている今、これらの法律や計画はどのような意味を持ち、わたしたちの暮らしに関わってくるのでしょうか。
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(1)「男女共同参画社会基本法」と「女性活躍推進法」は親子関係
最初に鹿嶋さんが強調されたのは「第4次男女共同参画基本計画」の基になる「男女共同参画社会基本法」と「女性活躍推進法」は親子関係にあるということでした。
これは「女性活躍推進法」第1条に「男女共同参画社会基本法の基本理念にのっとり」という表現が組み込まれていることからわかります。同じ第1条の中では「自らの意思によって職業生活を営み」と、女性自らの意思が尊重されることを前提にしています。
男女共同参画や人権の問題は、社会的課題です。一方で「女性活躍」は経済政策としての一面が強く感じられます。社会問題としての男女格差に悩んでいるわたしたちは、この点に違和感を感じるかもしれません。
しかし、経済政策は短期間で結果が出やすいため政権からのPR機会が多いのです。「女性活躍推進法」にも人権の視点、「男女共同参画社会基本法」の基本理念がしっかり位置付けられているのです。
(2)「男性中心型労働慣行の変革」は、女性の社会参画と裏表の関係
「第4次男女共同参画基本計画」は「男性中心型労働慣行の変革」を全政策分野の横断的視点に位置づけることを定めています。これは、この問題を解決しなければ、男女共同参画社会は実現しないという強い意思のあらわれです。
日本では、男性正社員を前提とした長時間労働が当たり前とされてきました。男性が家庭に関わる時間を持ちにくく、女性が家事を担い、外で働いたとしても補助的な非正規雇用でいい、といった固定的性別役割分担が進みました。男性中心型の労働慣行と性別役割分担は裏表の関係です。
「第4次男女共同参画基本計画」で掲げられた「男性中心型労働慣行の変革」は、女性が社会参画するための阻害となっている「性別役割分担」を解消することにもつながるのです。
(3)わたしたちのゴールは「平等」であり、女性活躍は手段
鹿嶋さんは講演の最後に、「女性活躍推進」は手段であってゴールではない、とお話になりました。「女性活躍」は、経済政策として注目を浴びています。
しかし、わたしたちがめざすのは平等です。暴力をふるわれる、ひとり親で生きづらい、非正規雇用で働きづらい…などの不平等から解放されること、開発や教育によってすべての人が新しいステージで自分らしく活躍できる社会、その前提として平和であること、です。
そのために、「第4次男女共同参画基本計画」では重点分野として、女性に対する暴力やひとり親、非正規雇用について具体的な課題を提示しています。
鹿嶋さんは、会長としての苦労話も混じえて、「第4次男女共同参画基本計画」の文言に込められた想いを語られました。
会場からは「計画策定は社会で力を持つ人により担われており、厳しい状況にある人の声が十分に反映されていないのでは」という懸念、計画の実行方法など質問が出されました。
鹿嶋さんから、質問の一つひとつに丁寧な回答がありました。
参加者からはアンケートをとおして
・4つの計画の特徴が理解できた。社会の一員として女性活躍の場を応援していきたいと感じた。
・自分たちのまわりをどのように平等社会にしてくのか考える機会をいただいた。
・明快な語りと話の節々に決意と優しさを感じました。
などの感想をいただきました。
とよなか男女共同参画推進センターすてっぷは、豊中市における男女共同参画施策の拠点です。
男女共同参画に関する情報発信や、女性の就労支援、地域の女性リーダーの育成支援、ネットワークづくりなどを担っています。地これからも一層、その役割を果たすべく努力していきます。
★すてっぷフェスタは、すてっぷ登録団体による活動発表やバザー、展示も実施され、にぎやかな一日になりました。
(S.F)