ラベル すてっぷ情報ライブラリー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル すてっぷ情報ライブラリー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年11月16日木曜日

恋愛も結婚も、そして仕事も私が決める!     大正生まれのワーキングガール



















©大和 和紀/講談社


スタッフおすすめ本紹介

『はいからさんが通る』
講談社漫画文庫全4巻
大和  和紀/著 講談社 1995



『はいからさんが通る』、ご存知の方も多いのではないでしょうか。1975年から1977年にかけて、講談社の『週刊少女フレンド』にて連載された不朽の名作です。
過去にはテレビアニメやテレビドラマにもなり、連載終了から40年が経つ今年は、10月に宝塚歌劇団による舞台公演があり、11月には新作の劇場アニメーションの前編が公開され、いま再び注目を集めています。

世代を超えて愛されるこの名作、しかし恥ずかしながら私、アニメの主題歌は口ずさめるものの、内容はよく知りませんでした。大正生まれのチャーミングレディのハートフルコメディだと思っていたのです。

原作は大正7年から関東大震災が起きる大正12年の東京が舞台。はいからさんこと花村紅緒と許嫁の伊集院忍少尉との恋を中心に物語が描かれています。
大正当時の流行歌や風俗・事件、連載当時に流行したギャグなどを織り交ぜて、恋愛はもちろん時代物・コメディとしても楽しめます。

しかしこの作品、それだけではありません。
各タイプのイケメンを揃えて恋を描く少女漫画のキモを抑えつつ、女学校が「良い妻・良い母になるための良妻賢母育成学校」だった時代に、女にはそれ以外の生き方もある!と職業婦人として生きる少女を描いているのです。「女は家のため、夫のために尽くすべし」という価値観が強かった時代に、自分の意思で自分の生き方を決め七転八倒する紅緒の姿は、現代の女性も共感する所が多いはず。かく言う私もすっかり紅緒のファンになってしまいました。ただ、お酒の席を共にするのは遠慮したいです。

恋愛、歴史、仕事…1冊でいろんな楽しみ方が出来るこの作品。知ってる人も知らない人も、この機会にいかがでしょうか?

(K・H)

2017年10月30日月曜日

「ザ・淀川」に情報ライブラリーが紹介されました

淀川区のコミュニティ新聞(フリーマガジン)の「ザ・淀川」11月号に、
すてっぷ情報ライブラリーが紹介されました。
(書面の写真は編集部に許可をいただき掲載しています)







「ザ・淀川」は「淀川区の今と昔を結ぶコミュニティ新聞」として、9万部が淀川区を中心に配布されているフリーマガジンです。

今回、取材の申込みをいただいたのは
「淀川区近郊で、特色のある図書室を紹介したい」というものでした。

すてっぷ情報ライブラリーは、「とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ」の専門図書室です。

つまり、男女共同参画にマニアックな図書室というわけですね。

とはいえ、「男女共同参画」といっても、なかなかわかりにくいもの。

取材当日は何をお話しようか考えていましたが、
一番大切な「自分らしく」をテーマとしている図書室なんだ、
ということをお伝えしました。

記者の清水さんは、ライブラリーにコミックがたくさんあることにも
いち早く気づいてくださいました。

まんがだと、難しいテーマでも、自然に理解しやすいので、
すてっぷ情報ライブラリーでは、コミックもたくさん扱っています。
コミックについては、スタッフに詳しい者がおりますので
ぜひお声かけください。

記事内で紹介されているパネルはこちら。
 単純な内容ですが、少しでも身近に感じていただければ、と作成したものです。

パネルは、男女共同参画パネルとして
無料で貸出も行っていますので、
お気軽にお問合わせください。
くわしくはコチラ


顔出し写真で掲載されるのは、実は初めてで、
ちょっと恥ずかしいのですが、
お近くで見つけたらぜひ、手にとってごらんください。

S.F







2017年10月14日土曜日

スタッフおすすめ本紹介『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』

『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』 
上間 陽子/著 太田出版 2017 367.6ウ

世代を超えて受け継がれる貧困の中で、親兄弟から、恋人から、ある時は医師や役所からも見捨てられ、暴力を振るわれ、搾取されながらも、沖縄の夜の街で懸命に生きる6人の少女たち。研究者として虐待された少女たちに長年寄り添う活動を続けてきた著者が、少女たちへのインタビューを元に書き起こした、初の単著である。

印象的な逸話があった。キャバクラで働く少女は、恋人にボコボコに殴られ、「顔が腫れていることから仕事場に行けない」と、同僚の親友に連絡を取る。かけつけた親友が取った最初の行動は、なんと「私も殴られたようなメイクをして来たから一緒に記念写真を撮ろう!」だった。

暴力を受けた側の少女たちは、誰にも頼ることが許されず、自分たちの受けた状況を笑い飛ばしながら、自らの足だけで歩もうとしていた。本来ならば、大人の庇護の中で安全に育ち、学校に行き、将来を夢見る時期に、“成熟”を強いられた少女たち。弱いもの、幼いもの、辺境にいるものから搾取するような社会構造に、私たちは知らず知らずのうちに加担しているのではないか。

11月24日には、当センターで著者の上間陽子さんをお迎えし「暴力にさらされる少女たちと共に生きる」と題した講演会を開催する。課題に気づいた私たちにできることは何なのか、著者の肉声を通してしっかりと考える機会にしたい。


(A・E)

2017年9月1日金曜日

“違和感”を行動するエネルギーに変えて

スタッフおすすめ本紹介
『自己責任社会の歩き方 生きるに値する世界のために』













雨宮 処凛∥著
七つ森書館 2017.4
304/ア



第一章は、喉を締めつけられながら読んだ。「踏みにじられるいのち」と題したこの章では、相模原障害者施設殺傷事件、小田原市役所「生活保護なめんな」ジャンパー問題、秋葉原事件の犯人の弟の自殺、電通過労死事件などをとりあげ、事件と社会構造の関わりを書いている。どの事件も、過労・社会的圧力・社会格差などに追いつめられた人々が、さらに弱い立場の人々を追いつめることで自分の苦しみを誤魔化そうとした結果起きてしまった出来事のように思った。

苦しいなら「苦しい」と声を上げてその苦しみを解消するために助けを求めればいいのにそうできないのは、世の中に蔓延する「自己責任論」のせいだろうか。自己責任なのだからこうなったのは自分のせい、助けてくれる人などいない…と。

しかしそんな世の中でも「これはいかん」と立ち上がる人がいる。「宮城県父子の会」代表の村上吉宣さんだ。自らも母子家庭で育ち、二人の子を持つシングルファザーの村上さんは、母子世帯に比べなんの経済支援も受けられない父子世帯に違和感を持ち、自ら団体を立ち上げ運動の先頭に立ち、法を変えていく。いっそ爽快と思える村上さんの快進撃は是非本書を読んで頂きたい。

 二章以降にも自分が感じている「これおかしくないか?」という違和感を元に行動を起こした人々が登場する。

反戦デモのために自前で「戦車風」に改造した車を破壊する人たち。
戦争をしない・させないために連帯するアジア各国の人々。
徴兵拒否のためフランスに亡命した韓国人男性。
過酷な労働環境に「サバイヴなんてしたくない、人間らしく生きたい」と街頭で声を上げる若者たち。

どの人も「おかしい」「このままじゃヤバイ」と行動を起こした人たちだ。彼らに共通するのは「人間らしく生きたい」という願いではないだろうか。特に強烈だったのはさいたま市の知的障害者たちで組まれたバンド「スーパー猛毒ちんどん」のパフォーマンス。「障害者は勇気を与えるために生きてるわけじゃない」と歌い、踊り、楽器をかき鳴らす彼らの姿は確かに猛毒だけれど、紙面からでも強烈な命の強さを感じた。

 本書では、いま日本が抱えている様々な社会問題を取り上げている。日本はこんなに生きづらい国になったのかとしんどくもなるけれど、それ以上に著者の雨宮さんが出会ってきた、「違和感」に抵抗し、行動する人々の発する希望の匂いに、生きる気力が湧いてくる。そして思った。自分は、端から見れば明らかな「異常事態」を、ちゃんと「おかしい」と感じられているだろうかと。
 読み手に、希望と問いかけを残す1冊だった。

(K・H)

2017年8月14日月曜日

会社に行かなくていい…と線路を見て思った時
『死ぬくらいなら会社辞めれば、ができない理由(ワケ)』


「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)
汐街 コナ∥著 ゆうき ゆう∥監修  執筆協力

東京 あさ出版 2017.4
498.8/シ

きっかけはTwitterで見た冒頭の8P漫画でした。

この本には、たくさんの働く人が、救われるかもしれない、と思いました。

「ブラック企業」という言葉が定着してもう10年くらいでしょうか。
わたしにも「残業時間が160時間」、なんて友人がいます。



冒頭の8P。
主人公は毎月100時間を超える終電帰宅の連続。

…ふと立った最終電車の地下鉄のホームで
「ここに飛び込めば会社に行かなくてすむ!」というアイデアがひらめく。
この本はここから始まります。

会社がイヤで死ぬなんてバカなことはないでしょ!!!
ブラック企業なんて辞めればいいじゃないか!!
みんながそう言います。

でも本当に追い詰められている時に
辞めるという選択肢が見えない状態になっていること。

そのプロセスを、わかりやすく説明してくれた8Pに
わたしは救われました。
そう、これ!これ!こうなっていたんだ!

今、長時間残業の過労死ラインが「月80時間」と定められています。
目安が決まることで、多くの人が
「自分の働き方がヤバい」と自覚できるようになったと思います。
それでも長時間労働を強制される職場は少なくありません。

一方で、日本は、成人の死因のトップが「自殺」です。
理由は「経済「人間関係」であること。

たとえばパワーハラスメントには明確な目安はありません。

たとえ、あなたの残業時間が多くなかったとしても
「線路が怖い」「包丁が怖い」「会議室の窓が怖い」なら
誰かの助けが必要です。

あなたが弱いからでも悪いからでもありません。

この本には、そのSOSの出し方、出してもいいんだ、
ということが描かれています。

人間には個体差があって、
自分で決めた仕事の長時間残業なら平気、という人もいます。
わたしはこのくらい働いてきたから、
あなたもそのくらい出来るはず、と言ってくる人がいます。
あなたの職位なら、これくらい出来て当たり前、と言う人がいます。
他の人はみんな出来ているのにあなただけ出来ない、と言う人がいます。

でも人間には個体差があって
出来ること、出来ないこと、があって
だからこそ、それを補いあって、
一人ではできない成果を出すために、会社という組織で仕事をします。

多様な人がいるからこそ、1+1を2だけではなく、
3にも4にもできる可能性があるのです。
それをコーディネートすることをマネジメントといいます。

それをしないで、「努力が足りない」「能力が足りない」と叱責する。
それがたとえ「会社のため」「成果のため」であったとしても
それはただの「暴力」です。

この国は、真面目に普通に働いているだけで、死ぬことがある国です。
わたしたちは、自分の命を、
働いている「会社」から守らなければならない時代に生きています。

そんな大袈裟な、と思う人は、幸運なだけかもしれません。
誰もがそうなるかもしれない、
そう考えさせられる本です。

一方で、経営者の方にとっても、
何が組織に、従業員に対して必要なのか
非常にわかりやすい本だと思います。

マネジメント力とは、被マネジメントの裏返しですから
従業員の悩みに寄り添うこと、共感することができれば
もっと働きやすい社会になると思うのです。


S.F









2017年8月8日火曜日

スタッフおすすめ本紹介『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』

『男も女もみんな
   フェミニストでなきゃ』
チママンダ  ンゴズィ  
      アディーチェ/著
河出書房新社
367.1/ア



 ビヨンセが「Flawless」の
歌詞として取り入れ、
DiorがTシャツを作るなど、
世界27か国で刊行され、
大きな話題となった1冊です。



著者の柔らかい語り口でジェンダー問題が
わかりやすく語られています。

解説の中で、彼女は自分が生まれた「アフリカ大陸」に対するイメージについて「紛争・飢餓・病気・援助」といったものが多く、
それだけではない部分を知ることも大切だと語っています。

私も、初めてネパールに行った時のことを思い出しました。
「途上国」「援助」という言葉だけでイメージしていたその国で、
貧しいながらも豊かな暮らしを目の当たりにし
「思っていた風景と全然違う!」とビックリしました。
自分の思い込みで価値観がガラリと変わった瞬間でした。

きっと知らず知らずに思い込んでしまっている、
知ったつもりになっていることはまだまだ沢山あると思います。

まずは「知る」ということ。

タイトルの『男も女もー』というところがいいですよね。
男も女も互いのことを知るということ、そこからがスタートです。

「昔と違って今は男女平等じゃないか」と思っている方にこそ、
ぜひ読んで欲しい一冊です。



M.Y

2017年8月1日火曜日

見かけどおりではない、女子が自尊心を守る物語 カルバニア物語(1)~(16)※続刊



カルバニア物語  1 Tono 著

徳間書店 1995.7
(Chara comics)
726.1/T
※画像は徳間書店様の許諾を得てサイトから掲載しています




当情報ライブラリーでは、新しいコミックはほとんど買えません。
それは予算上の問題であったり諸々ですが、この本はみなさんに読んでほしいから、と寄贈されたコミックです。

カルバニアでは若くして王が亡くなり、王女タニアが王位につきました。

「女が王様なんて」
「年若い女王なんて初めてだ」
「威厳がたりない」

やがて、その話に尾ひれがつき

「女王は美しさのために生き血を浴びている」
「そういえば誰かの娘がさらわれたらしい」

民衆は城の前に集まって「女王反対」と叫びました。

そこに現れたタニア女王は

「行方不明者が出ているならすぐに捜索隊を出しなさい!」
「書記官は娘の名前、特徴や年齢を、記録を!」

とまさに「王」として「政治」として正しく毅然と対応します。

尾ひれのついたデマですから
本当に行方不明などどこにもいないのです。

コミックで少女漫画、おとぎ話風の絵柄。

でも、主人公たちは『人として』ふるまうことで
社会が『女性だから』と制限し、押し付けることを
軽やかにクリアしていきます。

タニア女王以外にも、
男子の跡取りのいない公爵家の長女エキュー、
女性を愛せない公爵
政略結婚からの家族不和
立派な体格で男性のお針子 などなど

さまざまな登場人物が「自分らしさ」を追求する物語です。

ジェンダーのことを、まっすぐに描いたものではありません。
物語には男女共同参画なんて一言も出てきません。

それでも、これを読んだ男性の友人は

『このマンガで、僕は女性やこの世界のジェンダーの問題が理解できた』

と話してくれました。

16冊、現在もタニア王女とエキューたちの活躍は続いています。
ぜひ、男性にも、気軽に読んでみて欲しいコミックです。
S.F





2017年7月18日火曜日

スタッフおすすめ本紹介『とうさんはタツノオトシゴ』








『とうさんはタツノオトシゴ』

エリック・カール/著 さの ようこ/訳 偕成社 2006年
726/カ



今回のおススメ本紹介は絵本です!
すてっぷ情報ライブラリーには専門書や一般書だけではなく、児童書や絵本もたくさん所蔵されています。今回はその中から『はらぺこあおむし』の作者としても有名な、エリック・カールの絵本を紹介します。

この絵本の主人公はタツノオトシゴのお父さん。お母さんが産んだ大事な卵をお腹のポケットに抱えて、子どもたちが生まれてくるまで大切に守っています。海の中を漂いながら、お父さんは自分と同じように卵を守ったり、子育てをするほかの魚のお父さんたちに出会っていきます。

エリック・カールならではの鮮やかな色遣いで、オスが子育てをする海中生物たちが描かれています。カラフルな海の世界は見ているだけで心がウキウキしてくるようで、ページをめくるのが楽しい絵本です。
巣を作って卵を守るお父さんや、体の一部に卵をくっつけて守るお父さん、生まれたばかりの子どもたちをお世話するお父さんなど、海の中にも協力して育児をする生き物がいることに驚きました。中でも口の中で子育てをする魚は、食事はどうするのか?とか、うっかり子どもを飲み込んだりしないのか?など疑問が浮かびました。浮かんだ疑問を親子で一緒に調べたりするのも知的好奇心が刺激されて楽しいかもしれません。

仕掛け絵本の要素もあるので、子どもと遊びながら読める1冊になっています。アートとしても楽しめる作品なので、大人の方にもおすすめです。
さあ夏本番!タツノオトシゴ父さんと一緒に、色鮮やかな海の世界を泳いでみませんか?

(K・H)



















2017年7月15日土曜日

スタッフおすすめ本『13歳、「私」をなくした私 性暴力と生きることのリアル』

『13歳、「私」をなくした私 性暴力と生きることのリアル』 
山本 潤/著 朝日新聞出版 2017 916ヤ

最も安全な場所であるはずの家庭が暴力の現場になり、最も信頼していて良いはずの親が加害者になる。この本は13歳から20歳まで、父親からの性暴力を受け続けた著者が、壮絶な葛藤と闘いながら「私」を取り戻すまで、約30年以上に渡る再生のプロセスを詳細に記した貴重な記録である。

著者は家族と対峙し、時には自分を追い詰めながら、必死でもがいて学び、支援者の手を借り、勇気と知恵をもらいながら回復していく。それは、本文にもあるように、割れた陶器が「金継ぎ」によって再び器として蘇り、以前には無かった味わい深い光を放つかのようである。人は必ず立ち上がることができるということを、著者が身をもって示す姿には、誰もが共感し、心揺さぶられるのではないだろうか。

私が特に印象に残った言葉としては、支援者に伝えたいメッセージとしての「そんなものではない(簡単にわかると思わないで欲しい)」という言葉である。他人である以上、支援者は絶対に当事者の痛みをわかることはできない。支援者はあくまで伴走者であり、本当の回復には当事者自身の力が必要である。そのためには、周囲の様々な人が、この社会全体が、当事者が回復するためのきっかけをあらゆる場所で作り上げる責任があるのではないだろうか。

本著には著者が実際に役に立った経験を元に、「性暴力被害者・サバイバーのためのガイド」として、性暴力とは何かの具体的な理解の方法、被害にあった場合の相談のノウハウや相談先などが章ごとにまとめられており、実践書としての価値も高い。声を上げられない被害者は必ず誰の周囲にもおり、性暴力被害と無縁な人はいない。被害者や支援者は勿論のこと、今までこうした手記に接してこなかった人にこそ、ぜひ手に取って欲しい名著である。

(A・E)

2017年7月10日月曜日

ソロハラ!まさにそれな! 【超ソロ社会「独身大国・日本」の衝撃】



超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃
 荒川 和久∥著 出版: PHP研究所 2017.1

367.4/ア


やっとこのモヤモヤに名詞がつきました。
ソロハラ。
ソロハラスメントの略です。

「理想が高すぎるんじゃない?」
「身の程わきまえて、結婚なんて妥協よ」
「だいたい、男性のいる場所に行ってないでしょ」

はいはい、ごめんなさいね、努力も妥協も足りなくて。
全部、独身者の自己責任ですヨネー。

独身者の
「いいご縁がなくて」
「…したいとは思ってるんですけどね」は
本音をいえば、単なるスルースキルの一つです。

社会課題としておなじみの少子化。
この裏には、非婚化があるのですが
この本は、統計からその実態にせまります。

報道などで「独身者の9割が結婚したがってます」
なのに結婚していないのはなぜなのか?
統計学からそのカラクリも解明。
え!実は、みんなそんなに熱心に結婚したいわけじゃないんだ!!

基本的に、既婚者=マジョリティである日本社会で
独身者の立場から「非婚化」について分析した内容は
「それわかる!」の連続でした。
本文中の「結婚しない男の見分け方」チェックリストに
(女ではありますが)自分があてはまってしまうので
実は、わたしも「結婚したくないのかも」と思いました。

でも、ソロだからって悪いわけじゃない。
非婚化が進んだから家電製品が売れない?ファミリーマンションが売れない?
だから不景気になってるんだ?
いやいや、たとえばソロ男性が使う消費額は
複数人の家族世帯の合計消費額と変わらないこともあるくらいなんです。
ここでも統計学から迫ります。

考えてみれば、ソロ生活だってお金はかかります。
趣味の時間が多く取れるから遊びにも行くし、自分のためにも投資できる。
一人暮らしなら自炊が割高で外食や中食も多いし、住居の賃貸料だってかかります。
日本経済に貢献していないなんて、ウソですよね。

しかし、ここまで言われても、ソロ男女の抱える闇は消えません。
「結局一人でしょ?」という、日々のソロハラに傷つけられまくっているからです。
それを、本文中では、バッサリ言い切ってくれました。

「家族を持てば本当の幸福がわかるよ」という言葉は
「家族も持てないような人間は不幸にしかなれない」と決めつけている!
だって、幸福の形は、みんな違うのです。

そして、最後は、ソロの自立について。
ソロの将来不安のモヤモヤにもバッサリ、です。

ソロだから孤立するわけではありません。
隣近所と仲良くて、友達がたくさんいて、
会社や学校以外の人との付き合いも広がりやすい。
コミュニティには、いくらでも選択肢があるのです。
1人だからこそ、行ける場所や会える人もいます。

家族とソロという形すら、本来は対立するものではなく
多様な生き方のうちの一つなのです。
ソロの人にも、既婚の人にも、読んでみてもらいたい。
みんなが自分らしい生き方に希望が持てる社会にしたいと思いました。

S.F

2017年7月1日土曜日

スタッフおすすめ本紹介『皿洗いするの、どっち?目指せ、家庭内男女平等』

『皿洗いするの、どっち?目指せ、家庭内男女平等』 
山内 マリコ/著 マガジンハウス2017 914ヤ


『結婚とは、忍耐と努力以外の何ものでもない…」とは某芸能人M様の御言葉。価値観のズレ、生活習慣の違い…それぞれ正しくて、それぞれ身勝手な妻と夫の忍耐と闘いの日々をまとめた痛快エッセイ。

そもそも、男女共同参画を家庭で実現するって具体的にどうすればいいのでしょう?家事でも子育てでも、妻に重く負担がのしかかっている現実は否定できない。でも夫側だってワークライフバランスの取れる会社に勤めるのが理想なれど、そうそう残業のない会社に勤めるなんてできず、寝るのがやっとという生活…で、結局「皿洗いするの、どっち?!」は解決しないままに。


本文124頁内の、著者の夫によるコーナー「男のいいぶん」にこんな言葉が載っていました。

「こと家庭内においてぼくへの個人的怒りと男性への社会的怒りは混同され、理不尽な個人攻撃を受けることがあります。」

むむむ…これは私も夫にやらかしているかも。つまるところ、夫への不満とかって、理不尽な状況に置かれている妻という立場への社会的な怒りが、最も身近な夫に向けられているのですものね。でも喧嘩しながらでも、互いの生きづらさや社会的怒りなどを言い合える山内さんのご夫婦は素敵だなあと思います。うちも見習わねば!

多様性の尊重も男女共同参画も、まずはわが身と家庭を振り返ることが課題解決への第一歩。既婚、非婚を問わず、「性別にとらわれずに自分らしく生きる」を標榜する皆さん、ぜひ一度お目通しください。(A・E)

2017年6月20日火曜日

知らなかった戦争の頃の生活「戦下のレシピ」

戦下のレシピ~太平洋戦争下の食を知る~
著/斎藤美奈子
岩波書店 岩波現代文庫 2015年
383/サ

手に取ったのは、さほど真面目な理由ではありません。
たまたま、最近観たアニメの舞台が昭和12年くらいで、それは時代考証が大変丁寧に詳しく作られた作品でしたが、わたしが想像していた「戦前」とは違っていました。

物語の中の「戦前の日本」は文化的でオシャレで、どこか明るい雰囲気すらありました。
そんなわけで、実際にどんな暮らしだったのか、という興味半分で手に取ったのがこの本です。



さて、わたしが知っている太平洋戦争下の食といえば、
「お米がない」「配給」「闇市」のイメージです。

出征する息子に、闇市で手に入れたお砂糖であんこを食べさせたのは
「終戦のローレライ」だったか…
「火垂るの墓」は何回観ても泣くし、ドロップの缶をみると切なくなる。
「この世界の片隅に」で、米を少しでもかさ高く炊く、すずさんの苦労。

でも、よく考えると戦前の生活って知らないのです。
戦前といっても、太平洋戦争前は15年戦争の最中で、戦時下でもあったはずです。
その頃の生活も、この本ではまとめられています。

・産業革命で豊かになっていく都市生活
・ハイカラなものが流行る
・銀座にデパートができる
・コロッケもライスカレーもキャラメルも普通に庶民が食べてる
・オシャレな婦人雑誌がハイカラな料理のレシピを紹介

ちなみに、この時代の婦人雑誌が初めて「母の手作り=愛情」を謳っています。
母の手作り、古きよき日本の母イメージはこの時期に作られたものなのですね。

(そもそも農村などは貧しくて調理したおかずが並ぶようなことがない)
(江戸時代は女性が働くのは当たり前で裕福な家の炊事は奉公人の仕事)

なるほど、
・この時代は新しいものがどんどん取り入れられて、
・一家総出で働く貧しさから解放されて、
・主婦という新しいポジションが生まれた時代
なんですね。

一方で、女性が、「職業婦人」といわれるような、
下働きや家業ではない働き方を始めた時代でもあるのが対照的です。

都市に住む市井の人にとっては、
豊かな明るい未来に向かっていたつもりなのだろうなあ…と、
この本からは感じられました。
(もちろん、女工哀史や当時の農村などの過酷さも現実としてあって)
(さらに、正しい国際情勢は伝えられず、太平洋戦争へと続く未来ですが)

そしてもう一つ。
戦争のもっと以前から、
日本は人口増などに農業の発展が追いついておらず、米不足で輸入に頼っていました。
このため、国策で「米を食べない」ように求められて、代替食として小麦粉の料理が紹介されています。
日本は戦前から、米が足りていなかったのです。(約2割が輸入だった)

戦争だから米がなくなったのではなく、
・もともと少なかった
・凶作が起こる
・戦争で物流や産業が軍需一極集中する
・生産できない、流通が麻痺する、燃料がないから漁もできない
などなど、戦争によってあらゆるライフラインが破壊されていくのです。

これらのことが、当時の婦人雑誌などを元に淡々とまとめられています。
文庫サイズでさらっと読める語り口。
戦争下では女性が、家庭が、そしてそれに支えられる「文化」が
どのように破壊されていくのか、が、生活目線でよくわかります。

あからさまな反戦の物語ではありません。
だからこそ、戦争がどのようなものか、説得力がある一冊でした。

S.F





2017年6月17日土曜日

スタッフおすすめ本紹介『ヨチヨチ父ーとまどう日々ー』

『ヨチヨチ父 ―とまどう日々―』 ヨシタケ シンスケ/著  
赤ちゃんとママ社 599/ヨ


あなたのまわりにもいるかもしれません。
ヨチヨチ父だった人、
今まさにヨチヨチ父な人、
これからヨチヨチ父になるかもしれない人・・・。

慣れない育児に奮闘し、ママの怒りを上手にかわす。
(=ヨチヨチ父)

わが子との生活の中で親がどのように成長するのかが、
この1冊にギュッと詰まっています。



「育児幸せ」「子育て楽しい」という、美しい部分だけではない、「子育てって大変だよね」「育児って、楽しいばかりじゃないよね」という、言いたいけれど言えないところが、シュールな絵と文によって描かれています。

子育ての中で必ずといっていいほど経験する場面がいくつも描かれているのですが、思わずアハハと笑ってしまう場面も!

赤ちゃんを抱き上げると荷物の重さでベビーカーがひっくり返ったり…
慢性的な寝不足に悩まされたり…
爪切りに緊張したり…

もしかすると、育児ってこのタイヘンでバタバタした状態を「楽しい」と思えるよう気持ちを変えていく作業なのかもしれません…。

出産を迎えるママパパにも、最近こどもの話ばかりで関係が少し微妙だなぁなんて夫婦にもオススメです。

まさに、パパ共感。ママ落胆。
  

M.Y

2017年6月6日火曜日

新幹線の中で泣きました。 【元気になるシカ】


東京 KADOKAWA 2016.9
(メディアファクトリーのコミックエッセイ)
916/フ

去年の春頃、ネットで流れてきた漫画で印象に残っていたものが書籍化されました。

とてもいい内容だと思っていたので「情報ライブラリーに入れたい」と思っていました。

その、念願かなって所蔵した本です。
わたくし、これでもオタクのはしくれですので、コミックエッセイにはうるさい方です。それでも絶対これは買いです。






主人公は、アラサーからアラフォーにさしかかる、BL漫画を描いている漫画家。
藤河るりさん(@shika888)

〆切明けに台湾に旅行しようと成田空港で搭乗待ちしていた時に激痛に襲われます。
一人旅です。

出国手続きも済ましていた免税店で倒れて救急車で運ばれると、
「卵巣嚢腫が捻転している」「精密検査へ」と。
もちろん台湾には行けません。

精密検査の結果は「卵巣がん」かなり進行していて入院に。
「がん」だということにまずショックを受けますよね…。

主治医はズバズバとものを言うタイプで超ドS。
全摘出するのか、検査の結果では微妙な状況を説明されます。
全摘出すれば、もう出産はできません。

彼氏もいない、出産も予定がない。だからって決断は簡単じゃない。

ここまでは、ドSでズケズケ物言う主治医が、ぽろっとこぼしたセリフに、
わたしは読んでいた新幹線の中で泣きました。

その後の抗癌剤治療、髪が抜けていくこと、吐き気、食事…。
わたしたちが「なんとなく」しか知らなかった「がん治療」について、
包み隠さず、でもどこか前向きな明るさで描かれます。

途中、何度もつらくて悩んで葛藤する。
そのことも、きちんと描かれている。(でも絵はシカww)

その中で、何を食べて、何を心がけて、そして漫画家という仕事に戻るまで。
支えてくれる友人のセリフ。仕事先の編集者の励まし。
もし同じ状況になった時、何を持って入院すれば便利か、などなど。

藤河さんのブログでも本文が紹介されているので、
気になる方はぜひこちらもチェックしてみてください。

ブログは漫画家らしく、漫画の作画プロセスなども紹介されていて面白いです。
イマドキはパソコンで漫画を描くのですが、その機材やソフトも見れますよ。
漫画家になりたいなー、という方にもオススメ。

本は情報ライブラリーで所蔵しています。
貸出中なら予約もできますのでカウンターまでお声掛けください。
ぜひ、紙の本で、
できれば泣いても大丈夫な場所で、じっくり読んで欲しい一冊です。

S.F


2017年5月29日月曜日

スタッフおすすめ本紹介『きりこについて』















『きりこについて』

西 加奈子/著 
株式会社KADOKAWA 913/ニ


本書の主人公きりこは、両親の愛情をたっぷりと注がれ、蝶よ花よと育てられた女の子。その見た目は10人中10人が「ブス」と認めるもの。でも両親の愛情に守られたきりこには、人に「ブス」とは認めさせない不思議な魔法がかかっていました。しかしその魔法も、好きな男の子に「ブス」と言われたことで解けてしまいます。

ショックから部屋に引きこもるようになったきりこ。人の世界から離れ、日中は眠り、夜は愛猫ラムセス2世と共に、公園での猫集会に参加する生活を送っていたある日、昼間見た夢をきっかけにある少女と再会します。誰もが「可愛い」と評するその少女にも、見た目から不当な扱いを受けた、深い傷があったのです。

この再会を機に、人の心の痛みを夢で感知するようになったきりこは、関西弁を巧みに操るラムセス2世に導かれ、再び人の世界に戻っていきます。
出会った人々の痛みに触れるなかで、きりこは「見た目」や「中身」にとらわれない、「自分を生きる」ということを取り戻していきます。

終盤きりこがある気づきを得て「ブス」の呪いから解放されるシーンは思わずグッときます。猫のラムセス2世も良い味を出していて最後はほろりとするかも。
きりことラムセス2世の関西弁のやりとりもリズムよく、一気に読めてしまいます。


K・H

2017年5月27日土曜日

スタッフおすすめ本紹介『町の未来をこの手でつくる 紫波町オガールプロジェクト』

『町の未来をこの手でつくる 紫波町オガールプロジェクト』 
猪谷 千賀/著 幻冬舎 2016 318イ


「図書館に勤務している方には、この本はとてもオススメです。」と近所の庄内図書館の館長からこの本を紹介されたのが、昨年の冬。まちづくりの先進事例として、その名を全国に轟かす岩手県紫波町のオガール広場。このオガール広場がなぜ、どのように生まれたのか、またどのように育てられてここまで来たのかを、丁寧な取材に基づいてまとめられた記録が、本著である。

タイトルにもなっている、「紫波町オガールプロジェクト」とは、紫波中央駅前の空間を、図書館を含む様々な施設が融合したコミュニティの拠点として生まれ変わらせる取組みのことである。施設ありきのよくある地方の事例では無い。建築の専門家、公務員、民間のビジネスコンサルタント、図書館司書、デザイナー、そして市民…様々な立場の人々が本気で互いと向き合い、「紫波町の未来をつくるため」と血の滲むような思いで知恵を出しあった努力の結晶、それがオガール広場なのである。


市民をつなぐ仕掛け作りや、地元の主たるビジネスである農業支援など、紫波町の図書館のサービスはユニークで魅力的だ。しかし、先進事例の取組みを小手先で真似したところで、おいそれと同じような場所になるわけではあるまい。「地域づくりは人づくり、人づくりの基本は教育」と一貫した姿勢で考え抜いた結果、立ち昇るようにその場が姿を現す。学ぶべきはオガールに関わった全ての人の「本気」である。折しもこの本を勧められたのは職員研修の場であったのだが、「地域にあなたは何ができるのか」と言う本気度を問うことが、この研修の意図することであったのかも知れない。(A・E)

2017年5月25日木曜日

スタッフおすすめ本紹介 雑誌 [Rikejo]

“リケジョ”という言葉をご存知でしょうか。
“リケジョ”とは、理系女子を略したもので、理系の女子学生や女子研究者のことです。
この「Rikejo」という雑誌は、理系女子応援マガジンとうたっています。

昔はほとんどが男性であっただろう職場でリケジョとして活躍している女性や、リケジョが働いているお仕事(「リケジョブ」と呼んでいます)を紹介したり、リケジョ大学生の一日に密着取材していたりします。

リケジョの大学生活・・・
私は文系の大学を卒業しましたが、理系の大学生って、ものすごくガリ勉で忙しいという勝手なイメージを持っていたんですが、そんなことはない!
オシャレなランチをして、夜には趣味も満喫・・・
たくさん勉強しながらも、ちゃんと自分の時間を大切にして、充実した学生生活を送ってらっしゃいました。

そしていくつか紹介されているリケジョブの中で、私が特にすごいと思ったのが、女性が航空機のエンジンの設計にかかわるお仕事をされていたことです。
あんなに大きなものがフワッと浮いているのが不思議だということ。
子供の頃に感じた疑問から答えを求めるように、本当に飛行機のエンジニアの世界へ入ってしまうなんて、すごい行動力!
エンジンのお仕事で活躍している女性もいるんだ。
ということを改めて思わせてくれる1人の女性の紹介も掲載してありました。

この雑誌は丁寧に、写真や絵も多く使われながら紹介されているので、とても楽しく読める雑誌だと思います。


将来、理系のお仕事を目指している人はもちろん、理系という選択肢を今まで思いつかなかった学生さんや保護者のみなさんにもオススメです。
R・K


2017年5月22日月曜日

スタッフおすすめ本紹介 『ちいさい・おおきい・よわい・つよい 115号』

「みんながちがう」と「みんなとちがう」
子育て中の方ならもちろん、
つい誰かと比べてしまうようなことって多々あります。

本書の中で心理学者である浜田寿美男さんが、
やっかいなこころとのつきあい方をゆるやかに示しています。

家族ってなに?
人と生きるってどういうこと?
この時代に生きるとは・・・。

親にかぎらずこどもとかかわる大人が、
がんじがらめになっているものに気づかせてくれます。

今回のテーマは「親になるまでの時間」
「怒らないでしかるのだ、
なんて自分でいい聞かせても、たいていは無理。」(p.150)

腹を立てて怒っては、
その怒りの半分は自分の側の問題と思って後悔する…
そんな小さな失敗のくり返しのなかで、
お互いの関係を築いていく…

あれこれと悩んでいたことから、
バカボンのパパのように「これでいいのだ!」と
気持ちをスッキリと解放できる1冊です。


Y.M

2017年3月13日月曜日

リサイクル本の配布会を開催しました!


リサイクル本を配布しました
3月4日(土)に、毎年恒例のすてっぷフェスタが開催されました。

すてっぷ情報ライブラリーにおいても、午前・午後の2回のリサイクル本の配布会を催しました。 今回は事前に『眠っている絵本を子どもたちに』を企画し、およそ1ヶ月の間に、200冊以上の絵本をたくさんの方からご寄贈いただきました。重い絵本をライブラリーに持ち込んでいただいた皆さん、本当にありがとうございました。

何年か、あるいは何十年も前にお子さんが読んでいて、本棚の奥にひっそりと眠っていた絵本たち、手にとると、1冊1冊にまだ思いが残っているような気がしてきました。スタッフも、昔読んだ懐かしい絵本を見つけ、心がほどける一時を持てました。

絵本は、汚れをきれいにしてから提供しました。一般図書、雑誌のリサイクル本もあるのですが、当日は開始時間前から、絵本をゲットしに子ども連れの方が列を作ってくれました。嬉しい限りです。また、同じイベントがみなさまに提供できればと思います。
一部すてっぷで所蔵することにした絵本については、次年度、児童書コーナーに順次配架していく予定です。懐かしい絵本が一杯です。皆さん、楽しみにしていてくださいね。


情報ライブラリー  M.K.

2017年2月28日火曜日

【所蔵紹介】居場所の社会学 阿部真大著

居場所、居場所と、よく聞くようになりました。
生きづらさを考える時に、鍵になるのが「居場所」です。
安心できる居場所があることは大事ですよね。

居場所について、さまざまな角度から考察したのがこの本です。

作者の阿部さんの体験からの疑問という形をとっていますが
わたしたちが人間関係で悩むことがらについて
居場所という切り口で迫ります。

たとえば「ひとりでいることはスティグマ化することもある」

わたしは子どもの頃、休み時間は絵を描いて過ごす子どもでしたが
これに、「ひとりぼっち」というレッテルを貼ると
とたんに「友達のいないかわいそうな(恥ずかしい)子」になります。

クリぼっち(クリスマスにひとりでいること)という単語のように
この感覚は大人になってもわたしたちの中にたしかにあります。

この本では家庭や、職場や、社会の中で
わたしたちがなんとなく「つらい」「しんどい」と思ってしまう構造を
「居場所」という言葉をテーマに丁寧に解き明かしていきます。

途中、ガチ硬派な社会学文献からの考察もあれば
J-POPを用いてアラサーアラフォー世代に共感させる部分もあります。

30代、当事者目線のある阿部さんならではの一冊だと思います。

さて、
2017年3月4日(土)14時~16時30分
すてっぷホールでは、若者の居場所を考える講演会を行います。
テーマは「若者の仕事と居場所づくりを考えるために」
講師はこの本の著者、阿部真大さんと、追手門大学の前比呂子さん。
若者の社会学の阿部さんと、女性の貧困についての前さんの
クロストークです。

今の若者が、なぜこんなに生きづらいと感じてしまうのか?
昔、違う時代を生きた若者だったわたしたちには見えにくいことを
女性、若者、その支援、と、切り口を変えながらざっくばらんにお話します。
できれば、観客と講師の距離を近くしたい!などの工夫も進行中。

今の大人たちにできることを考える場にしたいと思います。
くわしくはこちら(講座案内ページ)から


S.F